大学入学共通テストに「情報」が加わり、大学受験を考える高校生にとって、「情報Ⅰ」も大切な受験科目の一つになりました。
ただ、保護者の方の中には、「情報」という教科にあまり馴染みがない方も多いのではないでしょうか。
私自身も、今の高校生の保護者の皆様と同じような世代です。自分たちが高校生だった頃の感覚からすると、「情報」という教科は、英語や数学などと比べて、少し軽い科目のように感じてしまうのも分かります。
しかし、実際に大学入学共通テストの問題を解いてみると、「情報だから何とかなる」と軽く考えるのではなく、きちんと学習と演習の時間を確保しておきたい科目だと感じます。
大学入学共通テストの「情報Ⅰ」について
2025年度の大学入学共通テストから「情報」が出題教科に加わりました。
背景には、AIやデータ活用などが急速に広がり、社会の中で情報や情報技術を適切に活用する力が、以前よりも重要になっていることがあります。
また、共通テストにおいて、国語・数学・英語のような基礎的な科目の一つとして「情報Ⅰ」を追加することが政府方針として示されたことも、その背景にあります。
こうした経緯からも、「情報Ⅰ」は大学受験において決して軽く考えてよい科目ではありません。
情報Ⅰは扱う内容の幅が広い
情報Ⅰの大変さの一つは、学習する内容がかなり幅広いことです。
例えば、著作権など法律に関係する内容があります。
一方で、情報セキュリティやネットワークなど、コンピュータやインターネットに関する技術的な内容も学びます。
さらに、2進数・10進数・16進数など、数学に近い内容も出てきます。ここでは用語を覚えるだけではなく、実際に計算しなければならないこともあります。
そして、大きな学習内容の一つがプログラミングです。
示されたプログラムを見て、
「このプログラムは何をしているのか」
「この処理を繰り返すと、変数の値はどう変わっていくのか」
といったことを読み取る問題もあります。
ほかにも、データを読み取ったり、分析したりする内容があります。
つまり情報Ⅰは、単に「情報に関する用語を覚える教科」ではありません。
知識を覚える、仕組みを理解する、計算する、データを読み取る、プログラムの処理を追う。
さまざまな分野の知識と、それを使って考える力が必要になります。
身近な内容だからこそ、仕組みから理解する
一方で、情報Ⅰには学びやすい面もあると思います。
インターネットやスマートフォン、情報セキュリティなど、私たちが普段の生活で使っているものに関係する内容が多いからです。
そのため私は情報Ⅰを教えるとき、できるだけ高校生にとって身近な例と結びつけながら説明するようにしています。
私自身、塾の仕事を始める前はシステム関係の仕事をしていました。その経験も生かしながら、
「これは実際には、こういうところで使われている」
という話を交えて説明すると、教科書に書かれている言葉だけを覚えるよりも、イメージしやすくなります。
ただし、身近な内容だからといって、用語だけを覚えればよいわけではありません。
例えば暗号化について勉強するときも、方式の名前や特徴を覚えるだけでは不十分です。
誰がどの鍵を持っているのか。
どの鍵を使って暗号化するのか。
どの鍵を使って元の情報に戻すのか。
そうした仕組みまで理解しておかないと、
「なぜ、この方法なら安全なのか」
「逆に、こんなことをすると、なぜ危険なのか」
ということが分かりません。
テストでも、こうした仕組みの理解をもとに考えなければならない問題が出てきます。
情報Ⅰでは、用語を丸暗記するだけではなく、「なぜそうなるのか」「どんな仕組みになっているのか」まで理解することが大切です。
プログラムは「読み方が分かった」だけでは足りない
プログラムを読み解く問題にも、考え方のコツがあります。
例えば私は、プログラムを読むときには、
- それぞれの変数が何を表しているのか整理する
- 各行で何をしているのかを日本語に置き換えて考える
- 繰り返し処理なら、「1回目→2回目→3回目……」と分けて考える
- そのとき、それぞれの変数の値がどう変化していくのかを書き出す
といった方法を生徒に伝えています。
こうしたプログラムを読み解くための考え方やコツを教えることはできます。
しかし、説明を聞いて、
「なるほど。こうやって読めばいいのか」
と分かったからといって、初めて見るプログラムをすぐに一人で読み解けるようになるわけではありません。
これは、普段の授業でも大切にしている 「分かった」と「できる」は違う ということと同じです。
読み方を理解したら、次は実際に自分でプログラムを読み、処理を追ってみる。
いろいろな問題を経験しながら、教わった読み方を自分の作業としてできるようにしていくことが必要です。
共通テストでは「時間内にできる」ことも必要
さらに、共通テストには制限時間があります。
私自身も実際に情報Ⅰの共通テスト問題を解いてみましたが、思っていた以上に時間がかかりました。
制限時間があるテストである以上、「時間をかければ解ける」では当然不十分なのです。
まず、問題の考え方や解き方を理解する。
次に、自分一人で解けるようにする。
そして最終的には、限られた時間の中で解けるようにする。
そこまで練習しておく必要があります。
これは情報Ⅰに限った話ではありませんが、考える必要のある問題は、時間に追われて焦ってくると、考えを整理すること自体が難しくなってきます。
私自身、これまでさまざまな試験を受けてきた中で、何度も経験してきました。
だからこそ、本番で初めて時間を意識して解くのではなく、普段からさまざまな問題を解いて、考え方や解き方そのものに慣れておくことが大切です。
情報Ⅰを後回しにしない
情報Ⅰには、覚えておくべき知識があります。
さらに、その仕組みまで理解しなければならない内容があります。
計算が必要な問題もあれば、データを読み取る問題や、プログラムの処理を自分で追わなければならない問題もあります。
そして共通テストでは、それらを限られた時間の中で処理する必要があります。
つまり、
知識を身につける
→ 仕組みを理解する
→ 自分で問題を解けるようにする
→ さまざまな問題を経験する
→ 限られた時間でも解けるようにする
というところまで進めていく必要があります。
だからこそ、「情報だから何とかなる」「後回しで大丈夫」と考えるのは危険なのです。
早い段階から一つひとつの内容を理解し、自分で問題を解く経験を重ねる。そして共通テストが近づいてきたら、時間も意識しながら演習する。
理解するための時間と、「自分でできる」ようになるための時間。その両方をきちんと確保しておくこと。
それが、共通テストの情報Ⅰに向けて大切なことだと考えています。
「情報Ⅰ」の個別指導にも対応しています
ベストワン津幡能瀬校では、「情報Ⅰ」の個別指導にも対応しています。
システム関係の業務経験がある学校長が、用語や仕組みの解説から、計算問題、プログラムの読み方まで、一人ひとりの理解度に合わせて丁寧に指導します。
「情報Ⅰの勉強をどう進めればよいか分からない」「共通テストに向けて対策を始めたい」といったご相談も、お気軽にお問い合わせください。
一人ひとりに合わせた個別指導を
ECC個別指導塾ベストワン津幡能瀬校では、一人ひとりの理解度を確認しながら、「自分でできる」ようになるまでの指導を大切にしています。

