数学の途中式はなぜ必要? ― 途中式を書く本当の理由

学習・指導

数学の問題を解いている生徒を見ていると、途中式を書かずに、できるだけ頭の中だけで計算しようとすることがあります。

理由を聞くと、

「書くのが面倒だから」
「頭の中でできるから」

という答えが返ってくることもあります。

確かに、途中式を書かなければ「書く」という手間は省けます。

でも、本当にその方が楽なのでしょうか。

方程式でやっていることは、一つ一つならそれほど難しくない

例えば、方程式を解くときには、

  • 分配法則を使って括弧を外す
  • 同類項をまとめる
  • 移項する
  • 両辺を同じ数で割る

といった操作を行います。

一つ一つを見れば、それほど複雑なことをしているわけではありません。

ところが、

「括弧を外しながら移項して、そのまま計算もする」

というように、いくつもの操作を一度に頭の中でやろうとすると、途端に難しくなります。

符号を間違えたり、数字を間違えたり、途中で何をしていたのか分からなくなったりすることもあります。

一つ一つはできるはずなのに、いくつものことを同時にやろうとすることで、自分から問題を難しくしてしまっているのです。

途中式を書くのは、作業を増やすためではない

途中式を書くことを、

「書くことが増えるから面倒」

と考えている生徒もいるかもしれません。

でも、実際は反対です。

まず括弧を外す。
次に式を整理する。
それから移項する。

このように途中式を書きながら一つずつ進めれば、そのときに考えなければならないことを減らすことができます。

前に何をしたのかをすべて頭の中に覚えておく必要もありません。書いたものを見ながら、「次に何をすればよいか」を考えればいいからです。

途中式を書くということは、複雑な問題を簡単な作業に分解することなのです。

書かない方が、かえって時間がかかることもある

途中式を書かなければ、確かに「書く時間」は省けます。

しかし、頭の中だけでいくつもの処理をしようとすると、その分だけ考えることが増えます。

そして計算を間違えれば、どこで間違えたのか分からず、結局最初からやり直すことにもなります。

一つずつ途中式を書きながら確実に進めた方が、結果として早く解けることも少なくありません。

途中式を書かないことのメリットは、「書かなくて済む」ということくらいです。

でも、そのために問題を難しくしてしまっては、かえって大変です。

間違えたときにも、途中式が役に立つ

途中式には、間違えたときに「どこで間違えたのか」を確認できるという役割もあります。

答えだけが書いてあって、その答えが間違っていた場合、答えだけを見ても原因は分かりません。

しかし途中式が残っていれば、

「考え方そのものを間違えていたのか」
「途中の計算で間違えたのか」
「符号を一つ間違えただけなのか」

と、一つずつ確認できます。

これは講師が生徒の理解度を確認するためだけのものではありません。

自分で問題を見直すときにも、途中式があれば「ここで間違えたんだ」と気づくことができます。

途中式は自分のために書くもの

「途中式を書きなさい」と言われると、先生に見せるために書かされているように感じるかもしれません。

でも、本来はそうではありません。

途中式は、自分が問題を簡単に、正確に解くために書くものです。

難しい問題になればなるほど、一度にすべてを考えようとせず、一つずつ簡単な作業に分けていくことが大切になります。

そのために途中式があります。

「書くのが面倒だから」と頭の中だけで済ませるのではなく、

途中式を書くことで、一度に考えなければならないことを減らす。

そう考えると、途中式は「面倒なもの」ではなく、むしろ数学の問題を楽に解くための道具なのだと思います。

一人ひとりに合わせた個別指導を

ECC個別指導塾ベストワン津幡能瀬校では、一人ひとりの理解度を確認しながら、「自分でできる」ようになるまでの指導を大切にしています。

タイトルとURLをコピーしました